最近買取させていただいた商品の中に1970年大阪万博の公式ガイドブックがありました。
こちらも販売できると思って商品をきれいにしていたら、ページ内に万博パビリオンの入場券の半券が4つ、出てきました。
おそらくこの方が家族4人で万博に出かけ、その際にもらった入場券の半券でしょう。
さらにそのページの付近には各パビリオンで押してもらえるスタンプもいくつか押してありました。
これはたぶん、各国のパビリオンに入場するとそこで押してもらえる形式だったのでしょう。スタンプラリーのように。
一瞬「この本はお客様にとって大事な思い出が詰まった商品なのではないか」という思いがよぎり、お客様に改めてヒアリングして、場合によってはお返しした方が良いような気持になりました。
ただ、もしかしてお客様もそこまでわかった上で我々にお売りいただいたのではないかと思いましたし、そもそもそこまで気にして覚えてもおらず「ふーん、だから?」という反応になってしまうような気もしました。
その結果、少し考えてあえて何もしないことにしました。
以前にも似たようなことを書きましたが、我々の仕事は「お客様の思い出とできるだけ向き合う」ということが要る側面があります。
またそれと同時に「あまり細かいことを気にしていたら商売にならない」という側面もまた、あります。
私は前職で、いかに大量の商品を買い取り、大量の商品を品出しするかに長年全力で取り組んできましたが、ここにきて一旦立ち止まって「思い出」というものに向き合ってみたいと考えているところです。
なぜなら人は誰しも、特に晩年になれば思い出を大切に想いながら日々を過ごしていくと思うからです。
また、思い出はその人そのものの構成要素でもあります。
良かった思い出も、悪かった思い出も、ちゃんとその人の脳に刻まれてその人を構成する一部になっています。
そしてその自分の一部をはっきりと思い出させてくれるのが、その時その時に見た物であったり、風景だったりするのだと思います。
だから、その物は他の人から見ればなんて事のない物だったとしても、他の人から見たら極めて特別な物、ということが起こるのだと思います。
いつもそんなに重たい気持ちでお客様の商品を見るわけではありませんが、こういったスタンプが押された本など「同じ物でも特別な手が入っている物」を見るとそこに「思い出の気配」を強くイメージすることができて、何かすこし温かいような寂しいような気持ちになります。
これは古物に携わる醍醐味の一つだとも思っています。
でも何はともあれ、どういった物であってもこれらをできるだけ他の方に届けて、新しい思い出をその方が刻んでいただきたいと思います。
それが、物が寿命を全うするということでもあり、引いてはSDGsということになるのだと思います。
つまりはシンプルに「もったいない」ってことですね。
もっとたくさんの眠っている物、捨てられそうになっている物を掘り出して、それを欲しがっている誰かにどんどん提供していかないといけないと思っているところです。
あ、新しいチラシをポスティングしております。
またサンデー柳井にも広告を掲載予定です。
「試しに呼んでみるか」という感じで大丈夫です。ぜひお気軽にお声かけください。
